4限の始まりのチャイムが鳴った。



「先生って兄ちゃんいたよねー?」


俺はゆあちゃんが心配で保健室にいた。
だから今日は授業受けてない。

「いるわよー。」

「優しー?」


保健室にいると気が抜けて家モードになる。

「今はね。優しいわよ。」


「今は?」

「そうっ。今は。昔は話しかける事さえできなかったんだから。」

「なんでー?」

「もうねー、恐くて。」

「ふーん。」


兄ちゃんて怖いものなんだ。


「それよりっ。小林くんは教室戻りなさいっ」

「授業つまんねーもんっ。」

本当は心配なだけだけど…。

「小林くんっ!」

「いーじゃん。1時間だけ。」

「そんな事言ってもぅ半日経ってるわょ。」