レストランを選ぶ雪乃と手を繋ぎ、
僕は上の空でショッピングモールを歩いていた。

そんな僕に余計な期待をせずに彼女は、
いくつかの店の前で足を止め、
結局一番はじめに選んだイタリアンレストランに戻った。

「おタバコはお吸いになられますか?」

エスコートスタッフの問いに雪乃が、

「はい」と答えた。

予想外の配球に驚くようにして、僕が彼女の右肩をたたくと、
彼女は眉を少しあげて微笑み、僕の手を引いた。