「メジャーデビュー直前に解散した、インディーズバンド…のボーカルだろ?」


「正にその通りだよ。ファンだったりした?」


「ファン…というか、解散ライブに読モ仲間に連れてかれただけ。まぁ、嫌いな音源ではないな」


―――バンドをやっていたのは、つい一週間前までの事。


インディーズでは名の知れたバンドで、メジャーデビューの話も来ていた。


ファンの女に街中で会えば、声をかけられて、キャーキャーと騒ぎ立てられる程、知名度は高かったハズだ。


数々の雑誌の取材を受けたり、ファン数の多さ、周りを取り巻く全ての環境の良さに、俺達は逆上せていたんだ―――……