女は煙草を吸い終わると、携帯灰皿にしまい込み、俺にも差し出す。


無言で受け取り、火を消してしまい込む。


返しながら尋ねてみた。


「お姉さんは有名な人なの?」


「別に有名じゃないよ。最近、読者モデルになれたんだ」


「へぇー…読モねぇ。通りで綺麗だと思った」


「綺麗、か?」


よくよく見ると、色白で小柄な顔立ちに、すらりとした長い足、全体的にバランスの取れた華奢な体型。


「人並み以上だし、綺麗だよ」


「そうか…」


白い頬がほんのりとピンクに染まる。


俯く女の横を花びらが舞う。


このアングル、写真に納めたら、きっと綺麗だろうな。