薫子が俺に投げかけた言葉。


『まぁ、嫌いな音源ではないな』


ずっと忘れられない言葉。


どちらかと言えば“好き”に近い言葉。


「モデル仲間に連れて行かれたのは確かだ。でも、本当は一瞬で惹かれてた。声も音も全てに。

あそこで偶然会うなんて思わなかったし、ましてや…そこそこの芸能事務所の跡取りとはな…」


そうだ、薫子が所属するまでは、そこそこだった事務所。


俺がマネージャーになり、薫子を育て上げ、どこかまわずに良い素材を見つけては事務所に入れた。


急成長した今では、有名な芸能人が集まり、大きな事務所になりつつある。


“AQUA+”を発掘してからは、薫子のマネージャーを降りて、あいつらのバンドを担当している。