「薫子サン…」


「サンは辞めろっ。薫子だけでいい」


「分かった、薫子にお願いがある。俺の事務所に所属してくれないか?」


「えっ…いいのか、そんな事を簡単に決めて…」


「良いも悪いも、俺が次期社長なんだから、いいんだよ」


―――そう、俺はプロダクションの次期社長の座を約束された男。


今はマネージャーとして、一から学ぶつもりだ。


出来れば、薫子のマネージャーに付きたい。


お前を、俺が一流のスーパーモデルにさせてやる。


「俺が…お前を咲き誇らせてやるよ」


薫子の足取りが止まり、何か言いたそうだが、言葉が出ないらしい。


「どうした?帰るぞ?」


「ばーかっ!!」