撮影中の休憩、許可を貰い、薫子と話をする事にした。


「翔!?…本当に探しに来たんだ、ビックリした!!それに何、スーツ来て…会社員?」


メイクを直しながら、俺に驚きを隠せない薫子。


それもそうか、俺の正体を知らないんだしな…。


「実はこういう者、だったり…」


胸ポケットから、ヒラリと名刺を取り出す。


「わわっ…プロダクション!?…の人なの?」


「そうだったりして…後でそこの携番に電話頂戴」


「う、うん、分かった」


名刺をしっかりと握り締めて、マジマジと眺める薫子。


電話、待ってるからな。