「はぁ?」
「女の子でタバコ吸うんも珍しなぁ、まぁ気ぃ使わんでえぇから楽やな」
ヤニで染まった黄色い歯をニカッと見せて笑って、人懐っこい笑顔。
よく見てみるとなかなかのイケメンだった。
「名前、教えてもらってもええ?」
「ネネ。」
「アレやろ、一日中仏頂面で周りからも評判悪いんやろ?課長さん言ってはったで」
あの野郎。
課長はよくよく顔は可愛いんだから笑え、ってセクハラ発言を繰り返す嫌な奴だ。
それにしても、コイツ・・・じろじろ見てきて、居心地悪い。
「カワイイなぁ。仕事キライなん?オレが助けるさかい、頑張ろ、な?」
「ハアァ!?」
一体私はどんだけ態度の悪い女なんだろう、だから嫌われるのかな。
カワイイ、なんて久しぶりに言われて、嬉しいはずなのに、
私は内川を張り手でぶっとばしていて、内川が倒れているうちに、慌てて逃げ出したのだった。