大輔は一回だけ、家に泊まったことがある。
サークル仲間で飲み会してたとき、大輔飲みすぎてヤバかった。
でもみんなの前ではアタシを送るみたいなカッコして、二人で電車乗ったら大輔寝ちゃって。
そんときはまだカレカノになって日も浅かったし、家知らなくて、結局連れて帰って。
・・・しちゃったんだよね、隣の部屋でお姉ちゃん、寝てたのに。
今は懐かしいくらいの思い出だけど、そこで仲が急速に良くなったアタシと大輔とは違って、大輔はお姉ちゃんに超嫌われちゃって。
顔を見れば、ウマ野郎とか酷いこと言われるばっかり。
それで大輔はお姉ちゃんがいないときしか家に来れなくなって、しかもデートは外か、大輔ん家じゃないと出来なくなった。
問題ないと思うけどね。
「今日はサークルの新歓コンパだからな、あまり他の男に抱きつくなよ」
「ハァ~イ、じゃあさぁ大輔、ずっと抱きついてていい?」
「アホか!」
「いたぁ~い頭ぶった~!」
言いながら抱きついて、上目使いに見つめる。
今日はお泊まりコースだよ、目で約束させて。
アタシと大輔は大学へ出かけた。