その日、ネネは会社を休んだ。
会議があるのに何を考えているんだ、と稲葉が怒っていたが、そんなことは関係ない。
一体どうしたのだろう。心配で、仕事に手がつかなかった。
「・・・田中?」
「はぁ。」
「お前、ネネと付き合おうとかしてんのか」
「何かいけまへんか」
「ちょっと待ってろ、・・・・・・ルネ?ルネか?今どこだ。ネネは?・・・あぁ、お前一人でいい。今新宿のいつもの店だ、待ってるからな」
“何かあったんだろ。話してみろよ”
確かに課長は、そう言った。
その言葉をありがたく、頼るような気持ちで、彼に着いて一件のバーに入ったのだ。
恋がうまくいかなくて悩んでいる、と話した、まだ彼は笑っていた。
しかし、何故か。
相手の名前を出した途端、その表情が一変したのだ。