「しかしなぁ、もう誰も残ってへんやん。誰も手伝ってくれんなんて、やっぱ東京モンは冷たいんやなぁ」
「・・・まぁ、こんなもんなんじゃない?仕方ないよ、みんな自分が大事だし。」
「そんなんあかんと思うんよ。同じ課いるんやろ?仲間やないん?」
「ははぁ?」
なかなか面白いことを抜かす奴だ。
誰もそんなこと思ってないよ、と返しながら最後のたこ焼きを頬張ると、食べられたことを悔しがりながらもスペインは嫌やなぁ、なんて呟いた。
「ひとまず、俺は田中ちゃんの味方やで。俺も手伝うさかい、終らせよ!で明日休も!」
「アホか、明日は明日で仕事あんだよ。それと
・・・田中ちゃんじゃない、ネネ。そのあだ名は、嫌いだ。」
あぁ、何でこんなこと言ってるんだろう、私ヘンだ。
内川は一瞬面食らった顔をして、それから笑った。
「判ったわ、ネネ。仲良ぅしてな」
そのときはまさか、こいつが久しぶりの恋の相手だなんて、予想もしてなかったんだ。