◆◆◆
あの日から僕達は、
ゆっくりと時間を掛けて仲良くなっていった。瑞樹から言わせると「そんな事あるか」って感じなんだろうけど。
そしてどちらから言うわけでも無く、同じ高校に進みそれなりの毎日を過ごしていた。地元でも有名な不良高校。瑞樹は喧嘩に明け暮れていたけれど。
そんな中で、ふと真剣に話してくれた事があった。
『たまに、自分が恐くてしゃーない時があるんや。俺も兄貴と同じなんやないかって。俺もいつか人を殺してしまうんやないかって』
それは、彼が僕に零した最初で最後の弱音だった。僕は誓う。
『そうなる前に止めてあげる』
ねえ、瑞樹は覚えている?
この約束を。僕は忘れた事なんてない。例え距離が出来始めていたとしても。
「……忘れた事なんてなかったよ」
瑞樹の強さは尋常じゃなかった。そしてその強さは彼を少しずつ変えて行ってしまう。
黒凰学園のトップへとなった瑞樹は、沢山の人から慕われると同時に利用され、恐れられ、恨みを買うようになっていた。
そして瑞樹は僕の事を
『野々上』
と呼ぶようになり、
一定の距離を保ち始める
けれど、僕は離れようとはしなかった。
あの日から僕達は、
ゆっくりと時間を掛けて仲良くなっていった。瑞樹から言わせると「そんな事あるか」って感じなんだろうけど。
そしてどちらから言うわけでも無く、同じ高校に進みそれなりの毎日を過ごしていた。地元でも有名な不良高校。瑞樹は喧嘩に明け暮れていたけれど。
そんな中で、ふと真剣に話してくれた事があった。
『たまに、自分が恐くてしゃーない時があるんや。俺も兄貴と同じなんやないかって。俺もいつか人を殺してしまうんやないかって』
それは、彼が僕に零した最初で最後の弱音だった。僕は誓う。
『そうなる前に止めてあげる』
ねえ、瑞樹は覚えている?
この約束を。僕は忘れた事なんてない。例え距離が出来始めていたとしても。
「……忘れた事なんてなかったよ」
瑞樹の強さは尋常じゃなかった。そしてその強さは彼を少しずつ変えて行ってしまう。
黒凰学園のトップへとなった瑞樹は、沢山の人から慕われると同時に利用され、恐れられ、恨みを買うようになっていた。
そして瑞樹は僕の事を
『野々上』
と呼ぶようになり、
一定の距離を保ち始める
けれど、僕は離れようとはしなかった。