けやな~」

村上の言葉に先輩のコートの下を見ると弾帯が肩から袈裟掛けに体に巻きつけてあった。
いや…そんなことより…。

「村上、あれって…実弾じゃ…」

「いんや…M60の弾丸は7.62mm弾…ゆわゆるNATO弾やろ、今姉さんが撃ってるのはゴム弾に電撃(スタン)の術式を書き込んだやつみたいだし」

「はあ…」

曖昧に頷く僕に村上は解説を続ける。

「確か電撃の魔術で生じる電圧が40万ボルト程だったと思ったけど…」

「それなら何発も相手に撃たなくても…」

そんなに高い電圧を何発も撃ち込まれたら死んでしまうのではないだろうか?

「いやM60にはセレクタが無いからフルオートでしか撃てへんから相手が倒れるまでに当たっちゃうんじゃない?
日頃から撃って使い慣れてんなら単発射撃も出来んことは無いやろうけど…」

っと突然、先輩が撃っていた銃の動きが“ピタリ”と止まる。

「先輩?」

何だか嫌な予感がするんだけど…。

「あー、弾詰まり(ジャムった)みたい」

右手で銃を持ち“テヘッ”っと舌を出す先輩。

「えー!」

嫌な予感的中

「参ったな~、今日はM60と三田村くんに渡したP230持って来てないし…」

「P230の予備弾倉は?」

「無い」

村上が尋ね先輩が答える…。

「先輩…どうしま