でないと解りませんし場所が場所ですし…。私には手出しは出来ません…。これからウルドと連絡を取りお嬢様をお連れするように要請します」

そう言うとスクルドは耳のセンサーに手を当て、ボソボソと一人で何かを呟く…恐らくセンサーに内蔵された通信機でウルドと連絡をとっているのだろう…。

気絶した先輩がウルドに引っ張られるようにして戻って来たのはそれからしばらくしてからのことだった…。

3「ちょっと視覚野のをいじって幻覚を起こしているだけだから大丈夫だよ」

戻って来た先輩の頭には大きなタンコブが出来ていた。

恐らくだだをこねていたところをウルドに殴られたのだろう。

「はあ…」

曖昧に頷く僕にスクルドが補足をする

「視覚野と言うのは目から入った映像を処理する部分のことです…。それとお嬢様、楓様をオモチャにして遊ぶのは辞めて頂きたいと以前から申し上げてるはずですが…」

そう言うスクルドのこめかみ辺りに血管の様な物が浮かんで見えたのは僕の気のせいだろうか…。

「少し待っててねー」

そんなスクルドの様子を知ってかしらずか先輩はそう言うと棚から何やらドロドロとした液体の入った瓶を取り出し手渡す。

「はい、これ飲んで」

「えっ、これをですか?」