そんな僕の危機感など知らぬ顔で岬がネコミミ少女に歩み寄り“ヒョイ” と首筋を掴み、抱き抱えると部屋から出て行った。

「へっ?」

僕は状況が飲み込めずに首を捻る…が、すぐに結論に至り全速力で走った。

篠宮学園の『魔術研究会』部室へ…。

2「先輩!」

“ドン!”と扉が壊れそうな勢いで押し開け、僕は部室へと入る。

此処に来る途中で背中から黒い翼が生えた裸の女の子(多分烏だと思う)やロップイヤーの男の子(勿論全裸)に遭遇したりして大変な目にあったりしたが何とかして部室まで辿りついたのだ。

「楓さま?」

「楓さんどうしたのですか?」

そこにはメイド服を身に付けたスクルドとベルダンディがいた。
活発で肉体労働を得意とするウルド。

無表情で事務作業を得意とするスクルド。

表情豊かで場を和ませるベルダンディ。

この三人は何時も一緒に行動するはずだけど…。

「先輩とウルドは?」

「二人はお買い物に出てるですぅ~」

「午後には戻ると言ってましたが…楓さま?」

二人のその言葉に僕はガックリと肩を落とす…この状態で授業を受けるのは正直言ってきつい。

何故ならば生徒達が教室にペットを持ち込んでいるからだ。

理事長代理の先輩曰く。