「ふふふ…どう？優秀でしょ？ウチのメイドロボは？」

「本当に…びっくりしました」

そう言って紅茶を口にふくむ楓。

メイドさんの名前はアムルタート、篠宮財閥が開発したメイドロボットの試作機の一体である。

「でっ、本題なんだけど…三田村くんは魔法が使えたら良いなぁ…って思った事は無い？」

「無いことは無いですけど…」

そう言って言葉を区切る楓。

『魔法が使えたら良い』…そう思っていたのは彼が未だランドセルを背負っていた頃である（身長やら見た目はその頃と全く変わってなかったりするが…）。

魔法なんて物はこの世には無いと楓は思っている。

「普通はそう思うよね…」

そう言って紅茶を一口すする瑠璃。

「根拠は?」

「へっ？」

問いかえす楓。

「魔法が存在しないと言う根拠…君が知らないだけで以外と魔法や魔法を使える人間、魔法を使うための力…魔力を持っている人間は多いの…例えば。」

“ぱん！”っと手を叩く瑠璃。

すると“ポン!”っという小さい音と共に楓の頭から何の前ぶれも無く何かが現れる。

「へっ？へっ？」

頭に現れた何かを触る楓