何度も言われてきた言葉なのに…
もう言われ慣れてもよさそうな言葉なのに…
こんなにも傷つくのは何故だろう?
「知ってるよ、んなこと…」
精一杯の強がりが、あまりにも寂しそうな、哀しそうな声で、自分でも驚いた
桜庭も、目を丸くして驚いてる
少し、心配そうに揺らいだ瞳…
そんな桜庭に気遣う余裕なんて、俺にはなかった
俺は、逃げるようにその場を立ち去った
どうしようもない思いを、壁にぶつけた
何度も何度も、壁を殴った
でも…
壁を殴りすぎて血が滲んだ拳より
桜庭にはたかれた頬より
「大嫌い」が突き刺さった心が、何より一番痛い