次の日―…。
あいにくの雨。
まだ開店からお客さんは誰も来ていない。


私は花の手入れをしながら、店長さんに昨日の事を話してみることにした。


「店長、聞いてくださいよ。昨日私の郵便受けに、佐野さんって人の郵便物が入ってて。で、なんと偶然にも佐野さんに出会ったんですよ。初対面だったんで最初は分からなかったんですけど。」



『ほー、ちえちゃんがこんな話するなんてめずらしいね。で?どうだったんだい?』


「なんか私…、いつもの私じゃないくらい緊張しちゃって。少し話して逃げるようにして帰ってきちゃったんです。なぜか上手く話せないし、目をあわす事もできなくて。」