「着いた着いた。今日はここね」
愛美に案内された店は、女子大学生が入りそうもないような赤提灯のかかった居酒屋。
今風が大好きな愛美なだけに、ここに案内されたことが意外でたまらなかった。
絶対私たち場違いだよぉ。
そんな私の気持ちとは裏腹に愛美はなんのためらいも無く店の扉を開けた。
「どぉ~もぉ~。今日は綾乃連れてきましたぁ~」
いつもどおりのテンションのまま店にあいさつをすると私に向かって手招きをした。
「こんにちはぁ・・・」
愛美の後ろからひょこっと顔を出す。
こういう居酒屋来た事ないし、緊張する。
控えめに挨拶をして、愛美に続いて店に入ろうとしたとき、
「綾乃、久しぶりじゃない」
店の中から私を呼ぶ女の人がいた。