「最近の綾乃はこのくらい念を押さないと来てくれないから~」
その言葉にドキッとするも、図星だから苦笑いすることしかできない。
約束した金曜の午後。
授業もないのにこうして愛美と2人で食堂の空きテーブルでのんびりとおしゃべりしているのはいつぶりだろう。
「なんかさ、こうやって2人でのんびりしてるの超久しぶりじゃない?」
マスカラを塗りながら愛美が話す。
「だねぇ~」
テーブルに広げたお菓子をほおばりながら返事をする。
「・・・多分、あの合コン以来な気がする~」
メイクに夢中になりながらも私の痛いところを突いてくる。
そうだったっけ?と苦笑いでしか答えられない。
できればあの日のことには触れたくない。