校門まで続く道のりには、等間隔に桜の木が植えられていて、その一つ一つの木々が見事なまでに咲き誇っている。
そんな桜の木の下・・・。
入学式後に出てくる新入生を待ち構えていたかのように、あらゆるサークルの勧誘が始まっていた。
スポーツのユニフォームを来た人。
楽器を持っている人。
その人たちの格好から、明らかにどういうサークルかわかるものから、見た目からではわからないものまで、本当に様々だ。
「あーサークルの勧誘すごすぎ。綾乃はさ、なんか入ろうと思ってるの?」
自由に歩けないほどの人だかりで、愛美は明らかに不機嫌だった。
「うーん。特に決めてないけどさ、スポーツ系とか体育会系はマジ勘弁。」
「わかる!汗かきたくないもん。」
こんなところでも、愛美とは意見があうことが嬉しい。
お互いにスポーツには興味ないから、明らかに体育会系だと思われる上級生の言葉はスルーすることができる。