絶対に咲夜さんのことだと思い、体をびくつかせた。


「な、何？」


「綾乃と話してた先輩さぁ、めっちゃかっこよかったよね～」


やっぱり。


「そ･･･だね」


何も悟られませんように。


「名前聞いたぁ？」


興味津々に聞いてくる愛美。


先輩の名前を知っているということだけでも、私だけの宝物のように感じてた。


だけど、知らないなんて言ったら怪し過ぎる。


「…咲夜さんだよ」


答えないわけにはいかなかったが、教えた後で少し後悔した。


…ライバルが増えたような気がして…