それはほんの一瞬の出来事だったが、あの感触は間違いなく・・・


とてもビックリしたが目を開けることも出来なくて、そのまま寝たふりを続けた。


鼓動は高鳴るばかり。


今のって、

今のって・・・


キス・・・


だよね?



「ほら、みんないつまで寝てんだよ。起きろ~!!」


咲夜さんは何事もなかったかのように、ベッドから出ると他の先輩たちを起こし始めた。


いかにもその声で起きたかのように目をこすりながら顔をあげた。


「あっ。起きたな。ベッド占領して寝やがって。」


まだ眠たそうなかすれた声で、大輔さんがこちらを向いた。



「・・・すいません。私、昨日のこと覚えていなくて・・・ここは・・・」


「俺んち。」


私の言葉をさえぎって返事をしたのは、大輔さんだった。