「ほら、そうやって、俺が来る前に期待させるようなこと言うから答えに迷ってるじゃん。」
いや、期待以上でしたよ。
ハードルあげられていてもそれよりも遥かに高いところを飛んでいきましたよ。
思うだけで、言葉にすることは出来ず。
うまい言葉が見つからず、アルコールに頼る事にした。
缶に半分以上残っていたチュウハイを一気に流し込むと、胃がすぐにカァっと熱くなるのがわかった。
「おっ。新人、飲みっぷりいいねぇ。名前は?」
「綾乃です。」
それでも相変わらず、目をあわすことはできないが、笑顔で質問に答えた。
「俺の名前わかる?」
自己紹介されてないのにこんな質問するのかと思ったが、レミさんがさっき名前を呼んでいたことを思い出し、
「咲夜さんですよね?」
と答えた。