一口飲んだところで、その王子と呼ばれるイケメンが私の方を向いたので、素早く目をそらし、目の前のお酒に集中した。



「おっ。新入生?」



「・・・はい・・・」


顔を見ることが出来なくて、目が合わないように、少し目線を落としながら返事した。



「ここまで、よく来たね。って、俺も、2年前のこの日に先輩たちに連れてこられたんだけど。」


何を話せばいいのか、よくわからずにそうですか、と笑いながら相槌。

そんな、私を見ていたレミさんが、

「ねっ。咲夜(サクヤ)、言ったとおりかっこいいでしょう」


にこにこと笑いながら私に話を振ってきた。


あははと、笑って返答をごまかした。


誰が見たってカッコいいと思うのだが、カッコいいという言葉だけで片付けてしまって良いのだろうか。


そんな一言では言い表してはいけないような気がして、どう答えて良いのかわからなくなってしまった。