「お疲れ。もう掃除終わった?」



月の光に照らされて、砂浜に声の主のシルエットが映し出される。


浜風になびくサラサラの髪の毛。


整ったあの人の笑顔がこちらへと向けられ、ドクンと一つ大きく鼓動が高鳴った。




「咲・・・夜さん・・・」


「女の子1人で普通、残して帰らないよな~」


大輔の奴、と文句を言いながら伸びをした。


「隣・・・、座ってもいい?」

「はい・・・」


返事をすると再びニコッと笑い、隣に腰をおろした。



しばらくの沈黙を波の音がかき消す。