「着いた着いた。ここのはず・・・」
辺りを見渡してみるが、それらしき集団は見当たらない。
握り締めていた紙をもう一度見直して見るが、場所が間違っているということではなさそうだ。
「来るの早すぎたんじゃん?」
そう思っていたら、突然、背後から声がした。
「おっ。キミたち早いなぁ。」
不意の声に、ビクッとなりながら声がするほうを向いた。
「あっ。大輔さん。こんばんは」
一体何人来るんだろうと言わんばかりに詰め込まれた缶の入った買い物袋を両手にぶら下げていた。
昼間は不審に思っていたが、その声の主は見たことのある顔だったので少しほっとした。
「場所はもうちょっと奥のほうなんだ。ついてきて。」
私たちは言われるがままに、大輔さんの後ろを歩き始めた。