用意したバケツに次々と花火の残骸が入れられていく。
あんなにたくさんあった花火も残り少しになった。
「ねぇ、私、先にバンガロー行ってるね」
珍しく咲夜さんの近くにいなかったレミさんがこずえさんにそう告げた。
花火の最中は男子たちの輪に入ることもせず、私たちの中に入ることもせず、遠くから私たちを眺めていたレミさん。
「了解」
と、目をあわせることもせず、手短に返事をするこずえさん。
その返事を待たず、バンガローへと向かう姿を目で追った。
・・・確かにレミさん、苦手だけど・・・
1人で歩く後ろ姿がなんだか切なく思えた。
「・・・・ああ、レミは旅行来ると絶対先に寝るから気にしないで」
気持ちを察してくれたのか、ニコッと私の顔を覗き込んだ。
「そうなんですか。レミさんが1人でいるとこなんて初めて見たから・・・」