海に向けて色とりどりの花火が舞う。


打ち上げ花火や置き型の花火を次々に男子たちが火を灯す。


そんな光景をみながら私とこずえさんは手持ち花火を楽しんでいた。



「そういえばさ」


不意にこずえさんが口を開いた。


「愛美って、あの1年生と仲いいんだね~」


その視線の先を見る。


確か、愛美が『たくちゃん』と呼んでいた男の子。


サークルに顔を出していなかった期間がある私は、先輩たち以外あまり親しくない。


その、たくちゃんという男と仲良くしているところも今初めて見た光景だった。


「本当ですねぇ。私、タメの男子はあまりよく知らなくて・・・」

「愛美の口からもそんな話聞いたことないしねぇ~」


なんか怪しいなぁと言いながらもこの話はこれで終わった。



私がサークルに顔を出していなかった時間が物語る。



レミさんのことでサークルから逃げていたことを少しだけ後悔した。