僕とあいつは 特別にキムと親しくなっていった。

それはキムに対する同情からではなく
もうじき20歳になろうとしている僕たちにとって
キムは妹というより まるで娘のような存在に思えたからだ。

僕とあいつは よくよく話し合った結果
キャラバンにとって不都合であり
この先窮屈な想いをし続けていくより

僕とあいつとでキムを引き取り
僕たちはキャラバンを離れることにした


せっかく得意なハーモニカを生かせれると喜んでいた
あいつだったが
あいつと僕の決心は固かった



僕たち三人は
南下した


そして廃墟のような
死の空気が支配したとある街に辿りついた

そこに人は住んでいた

まるで
死人のような
病巣を湛えた人たちが
僕たちを出迎えてくれた

彼らは早く僕たちにこの街を離れるようにと指示した


彼らの村は
三年前世界を滅ぼした未知の疫病によって
滅亡寸前だった