涼はくしゃっと前髪をかき上げるとなぜかため息をついた。

「お前ねぇー・・高3で盛ってる男の前でそぉゆう事言うのはダメだろぉー・・島谷 歩 ちゃん」

一瞬耳を疑った。名前を・・彼は知らないはずの私の名前を口にした。

「何で私の名前・・」

涼は顔を赤くしていた

「そら毎回試合で顔合わせるから・・さすがに気にもなるし・・それに・・」

涼のその言葉だけでも嬉しかった。

遠くから見てるだけで話すだなんて夢の夢だった人が今目の前にいてしかも自分の存在に気付いてくれていたのだ。