お昼の放送の準備をしていただろう放送部員がぎょっとしている。

若王子さんは私を降ろすと、なれた手つきで放送機器をいじりだし、放送チャイムを鳴らして、全校に響き渡る声で言った。

「3年の若王子一貴です。
いいか、聞け!2年の白石奈緒は俺の彼女だから、手出すなよ!

奈緒に変なことするやつも許さない。
以上!」