近づく私達に若王子さんが気付いたのは、若王子さんが私に似た女の人に手を握られた時だった。 私達の姿を見るなり、若王子さんは手を離し、言い訳するように私に取り繕う。 「違うんだ、奈緒!」 「いや…。別に…。」