足元からぐらぐらと振動が伝わってくる。
 
孫市の身を気にしながら、俺は足をすすめ続けた。
 
「幸村……お前、強くなったよな?」
 
「なんだよ、源内?」
 
後ろからついてくる源内がこそばゆくなるような台詞をはいた。
 
俺は後ろを振り返り、源内を見る。
 
その顔はいつものおどけた表情ではない。