中学に入ってすぐ、急死に一生の出来事を体験したことがある。
それは、太郎が珍しく“散歩でもしようかな”
と唐突に思いついた日のことで、事件は家のすぐ目の前で起きた。
『太郎!どこに行くんだよ!!』
『散歩だよ!いちいち心配すんな!』
『ダメだ!さっきも占いで言ってただろ?
B型は3位だったじゃないか!』
『次郎はいちいちうるさいんだよ!
そんなこと言ってたら全国のB型さんが1日外に出れねーじゃねーかよ!』
いつもと変わらない様子で、次郎と激しい口げんかを繰り広げていた太郎だったが、
次郎の制止もむなしく、太郎は家の外へと飛び出した。
飛び出した、その瞬間、視界の中に赤い車体が入り込む。
“ヤバい”
そう思った瞬間には、意識が途切れていた。