どちらからともなく、触れるだけのキス。

私たちは、まだ始まったばかりだもの。

「さあ、夕飯にしようか」

ふざけあいながらお互いの体を拭きあって。

着替え終わってから、なぜか私が夕飯を作ることになってしまい冷蔵庫の中身とにらめっこ。

あるものと言えば調味料とジャガイモ…ベーコン…。

お菓子はよく作るけど、料理のレパートリーが少ない私。

それ以前に、食材がない状態でどうやって料理しろと!?

仕方なく千切りにしたジャガイモとベーコンをバターで炒めたものを作り、冷凍庫にあった残りごはんを解凍してチャーハンを作った。

「こ、こんなのしかできませんでしたよぉ」

「おお、これだけできれば上等でしょ」

飛田さんがお湯を沸かしてインスタントのスープを作ってくれて、二人で並んで食べた。

「冷蔵庫空っぽだから、いつ降参するかと思って待っていたのに」

すべて食べ終わってから、笑いながらそんな事を言う飛田さん。

「え!ひどすぎますよぉ!」