『それではこれで新作CMの発表は終了となりますので―………』

ここで
映像がスタジオに
切り替わった。


『翔平君はホントに愛らしいですよね~』

『裏話なんですけど
どうやら翔平君、歌手デビュ-に向けてレッスンをしているらしいんですよ-』


『まぁ翔平君の今の人気だとオリコン初登場1位は決まりでしょうね-
それでは次のニュ-スです―…』


「あら翔ちゃんじゃない♪♪」

あたしが見てる
テレビの映像を見て
お母さんが
ニコッと嬉しそうに笑う

きっと
お母さんも
寂しかったんだろう。


家事もそっちのけで
テレビ画面に食い入った

「あ」

「翔平消えたね(笑)」

ぱっと映像が変わり
火災のニュ-スになった

もちろんお母さんは
あたしが翔平と付き合っていたことも
マネ-ジャ-さんの事も
何も知らない。


だから
あたしは
お母さんの前では
いつも通りに振る舞いた


「さっき翔ちゃん何か元気なかったわね……」

「そっか?いつもあんな感じじゃん!てかテレビの方が化粧してるから
カッコイイし」


「お母さんはいつもの
翔ちゃんの方が好きよ」

お母さんの言う通り。

あたしが好きだったのは
“芸能人の翔平”
じゃない。


あたしは“翔平自身”だ

だから例え
翔平が一般人でも
芸能人でも
あたしには関係ない。


あたしは翔平
ありのままが
好きだったから……