「46番、吉田美奈です
特技はバスケです。
趣味は音楽鑑賞で
このオ-ディションに
応募した理由は―……」


………………。

「ありがとうございました。では続きまして田原さんお願いします。」

「は、はい!47番、田原美優ですっ!!特技は得にありません!趣味は音楽を聴くことと絵を描くことです!このオ-ディションを受けた理由は-…」

思わず
言葉がつまってしまった

………嘘はつけない。

「…このオ-ディションを受けた理由は……」

審査員の人達も
だんだん不信な目で
あたしを見る。

「初めは…-大好きな人に近づく為でした……。だからあたしはその人を見ていてこの世界がどれだけ辛いかを知っています。もちろん、プライベ-トで友達と遊んだり、学校に毎日行ったり、高校生らしい事ができないかもしれない。それでも私はこの世界で…あの人と同じ世界で輝きたいと思います。」


あたし何言ってんだか…
せっかく翔平と
同じ世界で輝ける
チャンスだったのに……

あたしは
テレビで輝いている
モデル、俳優の
翔平が好きなんじゃない
翔平ありのままが
好き。


嘘でも
『雑誌を毎月欠かさず買っている』とか
『~チャンに憧れてて…』
とか言った方が有利なのは知ってる。

でも
嘘はつけ