「ついたよ」


若橋さんの一言で
車から降りる

…と目の前に広がる
高い建物


……多分ホテルだ


「ここ?」

「うん」


そう言うと
ゴツイマスクと
帽子にサングラスを
つける翔平が誘拐犯みたいで笑いが止まらない


「翔平……プッ……」


「何笑ってんだよ、ほら行くぞ」



そう言って
手を差し出す


「いやだ、誘拐犯とは
手繋ぎたくない」



何と無くフザけてみる



「誘拐犯とは失礼な」


「あたし誘拐されてる
みたいじゃん」


せっかく楽しかったのに若橋さんに「早くしないと予約に遅れますよ」と言われたのでしっかり手を繋ぎエレベ-タ-で
116階まで


エレベ-タ-のボタンからして分かる。

116階が最上階だって事



あたし達貸し切りの
エレベ-タ-はホテルの人の協力のおかげ。



ピンポン♪

エレベ-タ-の扉が開き
116階にようやく到着
した。


「予約していた高橋です」


「高橋様ですね、お待ちしておりました」

綺麗な女の人が
目をハ-トにして
あたし達をVIPル-ムに
案内する。


その際あたしは
翔平の妹のように
翔平をお兄ちゃんと
呼んだ。

これは
若橋さん命令。


レストランに行くのなら
必ず兄妹のフリをする事