「ほらよ、美優は1番デカイやつ」


あれ?
ケ-キ……ちっちゃい…


見事に
4等分されたホ-ルケ-キ



お母さんの買ってきた
15個の小さいケ-キは
今だ箱の中。


「あ、ありがと……」

翔平からケ-キの皿を
受け取り、ニコッと
上品に笑う。


「…………」



もしかして翔平引いた?


「ち、違うの!さっきのはセレブのパ-ティ-で
紳士からケーキを受け取る演技なの!」


「プッ……美優は相変わらずだね」


「………//」

今まで
必死にごまかしてた
自分がバカみたいで
急に恥ずかしくなった。

「美優の笑顔久しぶりだよ……元気だった?」

「うん…元気だったよ」

「そっか…新しい彼氏はできた?」


「うんん、いな-……」



そう言えばあたし
『他に好きな人ができた』って翔平と別れたんだっけ………


「……フラれちゃった」

この際
『彼氏がいる』と
嘘を言っても
よかったけど
とてもじゃないけど
嘘を突き通せる
自信はない。


だから
失恋したって言うのが
1番簡単でシンプルな
嘘だと思った。