そんな事を思って、僕は彼女を起こさないようにするりとベッドからすり抜けた。

部屋にドアは1つ。
反対側に窓があった。

僕は窓から、ここが何処なのか、確認するために窓を開けた。

開けた瞬間、強い風が僕をつき抜けた。

そして、声が聞こえた。

「答えはいつも簡単だよ。」

「でも、そこにたどり着くには勇気がいるの。」

「拾う勇気、捨てる勇気、騙す勇気、信じる勇気。」


「あなたの勇気はどれ?」


・・・は?


気が付くと、僕は床に倒れていた。

ゆっくりと起き上がって、頭を抱える。

何が言いたかったんだ?

後ろで、唸り声が聞こえた。

彼女は目を覚ますと、すぐさま僕に走りよって来て、
「あの!大丈夫でしょうか!?」

なにが?と、口から出そうになったが、きっと僕の事を看ててくれていたんだろうと思い、答えを変えた。

「うん。もう大丈夫だよ」
僕がそういうと、彼女はさらに慌てて、

「そそ、それじゃあ!何か食べるものをっ!!」

そういって、ドアを破って、隣の部屋へと消えた。

騒がしい子だな。

そういえば・・・

僕は思い出したかのように呟いた。



「ララは?」