その日みた夢は、不思議な感じだった。



真っ暗な、真っ暗な空間にいた。
右も左もわからない。
上も下もわからない。

ただ、そこにいた。


不意に、とても綺麗に澄んだ声が聞こえた。

「君はどうしてそこにいるの?」

幼い少年のような、少女のような高い声で、そいつは僕にそう言った。

僕が答えにつまっていると、

「自由に生きたいと君は言うけれど、自由を殺しているのは君だよ」

「お前に何がわかるんだよ」

すぐに僕は苛立ちを覚えた。
お前に・・・お前なんかに・・・なにがわかんだ。


沈黙の後、声はこう言った。

「僕は君を助けたい。だから、僕を助けて欲しい。」

はい?と、とぼけた声をだしてしまった。

「明日、部屋で待っていて、必ず迎えに行くから」


おい、どういうことだよ!

なぁ!!



・・・・・・










目が覚めた時には、空は晴れていた。

いーさ・・・どーせ夢・・・



僕は体中に纏った汗を流すために、風呂を沸かして、入った。