「たおした・・・?」

なんで魔物が倒れたのかわからなかった。

ララはヒーヒー息をしながら、目が潤っていた。

僕は急いで、ララの元へ駆け寄った。

「大丈夫!?」

目があった。

「し、死んだと思った・・・」

ララはガクガク震えている。
もう大丈夫だからと肩を叩いて、魔物の死体を見た。
胸、心臓の位置に、ざっくり刺さっている。
深く刺さっているせいか、全く血は流れていなかった。

危なかった。「声」が聞こえなかったら、ララは死んでいた。



しばらくして、ようやくララが落ち着いてきた所で。

「戻ろう」

僕の声に反応したララは立ち上がって、魔物を見た。
「君は、もしかしたら、銃術を使えるのかもね」

そういって、折れた斧の刃の方を、拾った。

「どうしてわかるの?」

僕が聞くと、

「だって君がいた場所は」
ララが指差した、僕がいた場所は、魔物から30mは離れた所。

「偶然にしては、凄すぎない?」

たしかに・・・

「そんなことはいいから、戻ろう。」

なんだか、この場所が怖かった。

空腹も感じなくなった。

「そうだね」

僕たちは、きた道を戻った。