「今日はここで野宿だね」

辺りは暗闇。
月明かりさえ、木々で遮られている。

「あーあ・・・結局か・・・」

野宿だね。じゃないよほんとに。

ララは適当な所にランタンを置いた。
中には電球がなかった。

「ちょっとちょっと!!これ使えないよ!?」

慌てる僕をララは笑った。

大丈夫大丈夫?

何が大丈夫だというのか。
「出てきて、トモリ」

奴がそう言うと、奴の体から、ポワァ〜っと光が出てきた。

まぁるい光には、目と口がついていた。

「さぁ、中に入って。」

丸い物体はうなづくと、ランタンの中に収まった。

「・・・」

「ね?大丈夫でしょ?」

満足そうに僕をみて笑った。

「今のが?」

「そう。精霊術。こんな感じなんだ。まだ小さな霊しか呼べないけど、そのうちに、自分の精神を使って神霊と呼ばれる、最高クラスの精術を使えるようになってみせるよ。」

すごい胸をはって、やる気マンマンでララは言った。

すごい。すごい!

ゲームの中に、来てしまったみたいだ。


「ご飯たべよ」

ララの一言で、頭に流れてた妄想は、消えた。

興奮だけ、残して。