見渡す限り草原だった景色から、少し向こうに木々が生い茂っているのが見えてきた。
そこまで歩いた。
1、2時間って所だろう。

「なぁ。」

長い沈黙を、僕はとうとうやぶった。
奴、ララは何も言わないで振り返った。

「やっぱり不安だから聞くけど、僕は何が向いているのかな?」

ララは少し笑いながら

「そんなの、僕にもわからないよ」

えっ?という僕の声を聞くと

「僕だって、この力かわかんないし。それに、知ってたら知ってたでつまらないでしょ?」

なんだそりゃ。


まぁいいか。もう深く考えないでおこう。

「じゃあ、逆に聞くけど、君はどんな力が欲しい?」
「んー、銃、かなぁ・・・?」

ララは目を見開いて僕に言った。

「驚いた。違う世界の人間って、みんな魔法に憧れとかもってるのに」

その問いに答えるのは簡単だった。

「違う世界からきたからこそだよ。僕は僕がいた世界で銃の怖さと便利さと強さを学んでるからね。」

「でも、魔法、使ってみたくない?」

「使いたいけど・・・それはいいよ」

そう。と奴は前を向いてまた歩き出した。
僕もそれに着いていく。

僕にある力って、なんだろう?