「当てはある」


トラキアは、無表情に言った。




「本当か!?」


キルトの表情は、明るくなったが



デカルトの表情は、強張った。




────…やはり、怪しいな。


トラキアは、何かを知っている…




そして、それを隠している──…


なんだ?



何を隠しているんだ?




トラキアは、ふと曇り空を見上げた。


そして、



「ひと雨きそうだな…」


と哀しそうに呟いた。