キルトは、トラキアを 見つめたまま瞳を見開いてから 「確かに…」 と呟くように言った。 ──…さすがは騎士だな。 判断が、冷静だ。 デカルトは、 ふうんとトラキアを見つめた。 「で、どうするんだ?ここまでは、馬車の轍を追ってこれたけど、ここからは─…」 キルトは、 闘いにより足跡や 砂埃だらけになった地面と 果てしなく続く草原、その道を見つめた。