「……ソフィ」


キルトは、ぎゅっと拳を握り締め

壊れて横たわる馬車を



ただ、哀しそうに見つめた。





「──…俺が、あの時。傍でお前を止めていれば─…」



その言葉に、


スパンッ



トラキアの勢いづいた平手打ちがキルトの後頭部に飛んだ。




「………ってぇな、なにするんだ?」


キルトは、後頭部を抑えて

ギロリとトラキアを睨みつけた。



トラキアは、


「王子。今、そんな反省会開いてどうするんだ?早くソフィを見つけないといけないんじゃないか?」


とキルトに厳しく言った。