────…やられた。


デカルトは、

冷や汗をかき額を抑えた。




「────…ソフィ…っ!!」


キルトは、

真っ青に青ざめてそれを見つめた。



ナタナエル王国の馬車が

汚れて壊れ、


もぬけの殻になってしまっていたからだ。


馬車には、

馬でさえ繋がれていなかった。



そんな中で、



「────…」


トラキアだけは、それを

冷たい瞳で見ていた。