「──…トラキアも来るのか」 城門の前でキルトは、 驚いてトラキアを見つめた。 「あぁ、早く行こう」 トラキアは、そう言うとデカルトが 用意した馬にヒラリと跨った。 「どうした、お前が積極的になるのなんて珍しい」 キルトは、そう言って笑った。 「………まぁな」 トラキアは、 そう言って前方を見据えた。 ………あきらかに、おかしい デカルトは、トラキアを睨んだままヒラリと黒い馬に跨った。